Chronicle of sky

ミドフォーママ黒猫がASD夫とASD息子、てんかん、協調運動障害、斜視などなど発達と治療に右往左往するブログ。

早期英語教育にお金をかけた親と私の話

Twitterで流れてきていたのですが、英語教育、幼児教育、お受験にお金をかけるなんてもったいない云々、というツイートが盛り上がっていたそうで。探しても見つからないんですが、まあ何にお金をかけるかというのは、子育てに限らず人それぞれの価値観なので、それぞれが有意義だと思うことにお金をかければいいと思うんですが。

実際英語教育にお金をかけた、私の両親と、私と弟の話をしたいと思います。

今から約40年前、ブリタニカの英語教材を購入した父

約40年前、私が生まれた時、父は「これからの時代は英語が必要だ」と言って、ブリタニカの英語教材をセットで購入したそうです。詳しい価格はよくわからないんですが、ちょっとネットで調べたら、当時の価格で約70万、現在の価格では100万以上、と出てきてええええ!となってしまったんですけども。以来怖くて両親に聞けないのだけど、多分二人とも忘れてると思う。。。DWEですら今でもなかなか勇気がいる価格なのに、思い切ったなあ、と思います。でも両親はなかなか子供ができなくて、ようやく生まれた子供だったので、奮発したのかもしれません。

ま、訪問販売に弱いタイプなので、うまいこと乗せられて買っちゃった可能性も大ですが・・・。(その後も割とその手の買い物してたので)

0歳~中学生?向けまでの教材がそろっていたブリタニカ

現在はブリタニカの英語教材は販売されていません。この時の人気のあった教材2種類と、幼稚園・保育園向けのカリキュラム?を提供しているくらいです。なので、どのような教材だったかを少し説明すると、0歳~中学生くらいまでかな、使える教材がセットになっています。媒体はカセットテープと絵本です。高学年向けのシリーズも本は絵が中心で、文章も載っていますが、どちらかというと絵+音声をメインに、という感じだった気がします。

年齢やレベルに応じたシリーズに分かれていて、1シリーズカセットテープ30本とか言う長いものもありました。基本的には絵本を見ながらカセットテープを流して、合図があるので自分で本をめくっていく、という感じで、記憶の限り幼稚園の頃には一人でやっていたような気がします。日本の昔話を英語でやるシリーズとか、アメコミ調の絵で進む冒険物語とか、オリジナルストーリーも話の内容が面白く、当時私が好きだった2作品が再販されています。そのうち買おう。

モクモク村のけんちゃん(幼児向け)

マコとガコの冒険(小学生以上向け)

幼児期から「毎日英語をやること」が必須に。歯磨きのようなもの。

これだけの高額教材を買ったのだから、しっかりやらせなきゃ!と親が思うのも無理はありません。幼児期から「毎日英語をやること」が我が家の必須事項でした。子供の頃は「宿題したか?」と言われたことはないですが、「英語やったか?」とはしょっちゅう聞かれていて、やってなかったら怒られてました。だから、私にとっては英語をやることは歯磨きみたいなものでした。めんどくさいなあ、って思うけどやらなきゃいけないこと、やらないと怒られること、という認識。

今は英語に限らず勉強も、割と親が横についてやらせている家庭が多いかと思いますが、当時の親は結構ほったらかしで、幼児期でもセットだけして「じゃあこれやってなさい」と言われて親は家事しに行っちゃうとか、ありました。なので小学生の頃にはどのシリーズをやるかも自分で決めて、弟と一緒に時間を決めてやってました。親は「やったか?」の確認だけです。

今思うと真面目か!って感じですよねえ。まあ、父親が怖かったのもありますが、当時は今ほど子供の娯楽がなく。あたりまえだけどネットも動画もない、ビデオデッキもあったところで親が使う用、という状況で、朝のポンキッキと夕方のおかあさんといっしょをリアルタイムで見るくらいしか、テレビ見なかったんですよね。あ、あと日曜の朝と土曜の夕方の戦隊ものくらいか。おもちゃも高くてそんなに買ってもらえなかったし、ゲームもなかったし、こどもちゃれんじはじめ、今ある幼児教材もなかったし、やることないから英語をやるのは割と苦ではなかったんですよね。

最終的に1シリーズ以外は全部やりました。中1くらいまでやってたかな。最後の「けんちゃん世界を回る」という膨大なシリーズだけ、難しいし世界の文化を紹介するだけなので中学生には面白くないしで断念。まあ、「やった」という意味では元が取れたと思います。

英語の道に進んだ私、途中で嫌になってしまった弟

結局その後、私は高校は英語科、大学は法学部でその後ITに就職、現在は外資系で英語を活かして仕事をしている、という英語を使った道に進んでいます。しかし、一緒にやっていた弟は小学校高学年くらいで嫌になって辞めてしまいました。(私が辞めたときに辞めてしまった)その後特に英語に力を入れることなく、普通に大学に行って今は地元で英語とは無関係の仕事をしています。英語力も普通の人と変わりません。

さて、どこで差がついてしまったのだろう、と今考えてみると、ひとつは私と同じ教材をやるのが弟には難しかったのではないか、というのがあります。3歳違いでした。順番にやっていけば問題ないのではないか、と思うのですが、今子供たちにやらせていて、たぶん社会性の問題で難しかったのではないか、また理解するスピードが私に比べて当然遅いので、そこがネックになっていたのではないか、と思います。

親がある程度ついていればもう少し違ったのかもしれませんが、私も子供だったのでそのあたりに気づけず、弟はちょっと可哀想だったかな、と思います。

大人になって、やってる人とやってない人で差があったかというとそうでもない。

私と弟では差がつきましたが、じゃあ、英語の得意な友人たちと比較して、おうち英語をやったかどうかで差があったかというと、まあそうでもない、ってところです。英語は継続することで力がつくので、英語をやっていなかった大学~就職の10年くらいで、私の英語力は一気に落ちました。その間に英語をしっかり勉強していた友人はペラペラになっていたし。その後私も英語力を鍛えて外資に転職しましたが、なかなか海外の人とのミーティングは大変です。結局留学は高校時代の2週間のホームステイだけでした。旅行はちょいちょいしていますが。まあ、それでもまだ今の時代だと、留学してないのに英語ができるなんて!と褒めてくれる人が多いのが得かな。

じゃあ、結局おうち英語は意味なかったのか、というと、早くから英語に親しんで日本とは違う文化、違う言語が存在する、というのを感じられたのが良かったと思います。あとは発音とかは早くからやっておいてよかったかな、と思います。親としては元が取れたと思っているのかどうかはわかりませんが、まあ、今ITと英語を活かして仕事をする、という選択を自然に取れたのは親が英語を小さいころからやらせてくれたおかげだと思っています。

継続すること、アウトプットすることが大事

おうち英語をやってきた体感として感じるのはこれです。まず継続すること、これが大事です。バイリンガル目指して1日何時間もをずっとやれるならそれに越したことはありませんが、幼児期だけ1日何時間もさせても、小学生でやらなくなったらすぐ英語力落ちちゃうと思います。「少し話せる」程度を目指して、毎日ちょっとずつを小学生、中学生、高校生・・・ずっと継続するほうが効果的かなと思います。「がっつり話せる」レベルにしたくなったら、その時本腰を入れて勉強すればいいと思うので。ただ継続してないといざ「やろう」という時のハードルもたかくなるのではないかな、と。私が子供たちに英語をさせているスタンスとしてはこれです。「少し話せる」程度をずっと維持させたい。ま、途中でがっつりやりたいというなら止めませんが。

あと、アウトプットも大事です。これは今はオンライン英会話などが充実しているので、問題ないと思いますが。私の頃はおうち英語だけでアウトプットする機会がまったくなく。2年ほど公民館の英語教室に通っていましたが、レベルが物足りなくてすぐやめてしまいました。思えばあれを続けておけばよかったなと。アウトプットする機会がなかったので、英語の理解の割に「会話する」ということが慣れてなくて、いざ「話す」となるとなかなか大変でした。英語での会話も結局「慣れ」なので、アウトプットする機会は絶対に必要かと思います。言うまでもないですよね。

 

ということで、私自身は40年前の100万ほどの成果は出せてるんじゃないかな、と思いますがどうでしょうね。ブリタニカ、子供にもさせたいとずっと思っていたのに、私に子供が生まれるのが遅かったこともあり、親が処分してしまっていました。。そんな高額教材処分するなんて信じられんー!と言ったら「今はもっといいやつがあるでしょ」と言われました(苦笑)。ごもっともです。。

意外におうち英語で育った親世代の体験談をあまり見ないんですが、そんなにいないのかな。DWEも40年の歴史らしいので、いそうなんだけどな。。私が探せてないだけかしら・・・。